■二酸化塩素(ClO2)について

二酸化塩素(ClO2)の特徴は、他の塩素化合物と比較して化学構造的に安定しており、アンモニア、フェノール類及びフミ ン酸と反応せず、クロラミン、クロロフェノール類及びトリハロメタンを生成しない事です。またClO2は塩素の様にpH 値の上昇による除菌力の低下がみられず、広範囲なpH領域での有効性がみとめられています。
ClO2はガス化しやすく、 解放系では揮散しやすく、pH7, 20℃１時間で1～1.5mg/ℓ 揮散します。
この様な特徴を持っている二酸化塩素(ClO2)ですが、従来は貯蔵の困難さや発生装置が必要な事などから、その用途はかなり限定されていました。

■安定化二酸化塩素(4NaClO2)について

アメリカにおいて、二酸化塩素をアルカリ性水溶液に溶存させて安定化させる方法が研究開発され、その安全性、除菌消毒、脱臭、防腐等の効果が証明され、誰にでも手軽に使用できる様になりました。
この製品は、ANTHIUM DIOXCIDEⓇ(アンチウム・デオキサイドⓇ・・商品名）と命名されました。一般的には『安定化二酸化塩素』( Stabilized Chlorine Dioxide)と呼 ばれています。
安定化二酸化塩素は酸化作用による除菌効果が極めて著しく、悪臭物質を破壊するだけでなく根本となる微生物の発生を阻止して抜本的に消臭効果を発揮しますので、不快臭を残しません。しかも強力な効果が長時間持続します。

■特記事項

●WHO(世界保健機構)、FDA(米国食品薬品局)、EPA(米国環境保護庁)で安全性と有効性が認証されています。
●アメリカ、ドイツ、韓国など各国で多くの用途に幅広く使用されています。
●安定化二酸化塩素は米国において農産物、一般食品関係、環境浄化等の除菌・消臭・洗浄を目的に研究開発された製品です。
●海外では、口臭を消す薬や歯磨きチューブにも使用されています。
●米国炭疽菌テロの際、二酸化塩素はその優れた除菌効果から、汚染除去に使用されました。
アメリカ同時多発テロの7日後、2001年9月18日から数週間にかけて「炭疽菌事件」が起こり5人が死亡、17人が病院で手当てを受けるという被害がありました。
被害を受けた施設の殺菌に有効な効力を発揮したのが二酸化塩素です。その時の報道映像が Youtube にアップされています。
⇒　炭疽菌に効果的な二酸化塩素 (Youtube)
●安定化二酸化塩素は毒性が低く、引火・爆発の危険性もありません。

■二酸化塩素の法的基準　

●食品衛生法・・・小麦粉の漂白剤として、使用許可 （10～20ppm）　＜昭和34年 厚生省＞
●プール衛生基準・・・塩素より殺菌力が強く、すでに米国・カナダなどで 飲料水の消毒に使用されていることから、使用を許可 （0.4ppm）＜平成 4 年 厚生省＞
●水道施設の技術的基準…浄水または浄水処理過程における水に注入される薬品 等により水に付加される物質として、使用を許可（2ppm以下）＜平成12年 厚生省＞

■参考資料

安定化二酸化塩素除菌力比較



付着菌テスト



消臭力テスト



ガス特徴比較